菌ちゃん畑に親子が集まると、
地域の未来が動き出す。
地元優良企業と地域協議会で育てる、
堀越スモールビレッジ構想
実績紹介|企業連携・食農教育・地域共創
親子が畑に通う時間を、地域の未来へ。
構想設計から、現場での実践支援・運営指導・講師まで。
この取り組みについて
対象
地元優良企業の社員とご家族
実施場所
北九州市小倉南区・堀越集落/旬菜坪根圃場ほか
プログラム
菌ちゃん野菜作り体験講座
夏野菜編3回+秋冬野菜編3回/全6回
担当
統括プロデューサー兼代表講師/外薗明博(合同会社食養メディア)
支援範囲
企画設計・関係者調整・現場での実践支援・運営指導・講師
現地協力
旬菜坪根、堀越和食と農村文化共創協議会/圃場提供・現地支援
小さな種をまく手が、地域の未来につながる
子どもの手のひらに、小さな種がのっています。その隣で、保護者が苗を支え、土を寄せる。畝のまわりには、普段の職場とは違う表情で過ごす社員と、そのご家族の姿があります。
ここは、北九州市小倉南区の堀越集落。合同会社食養メディアは、この場所で、地元優良企業の社員とご家族を対象とした「菌ちゃん野菜作り体験講座」を支援しています。
外薗明博が統括プロデューサー兼代表講師として、企画設計から現場での実践支援、運営指導、講師まで一貫して担当。夏野菜編から秋冬野菜編へ、全6回を通じて、親子で育て、学び、食べる時間を重ねています。
約1年前、堀越の未来を描くところから
この畑には、もう一つの物語があります。約1年前、地主さんでもある旬菜坪根さんの協力を受け、外薗明博が描いた「スモールビレッジ構想」。そのグランドビジョンと事業プランが、親子の体験という具体的な形になり始めています。
構想の出発点は、過疎化が進む堀越集落を、食と農を通じてどう活性化していくか、という問いでした。
農地がある。自然がある。地域で受け継がれてきた知恵がある。そして、この土地に思いを寄せる人がいる。その資源を地域のこれからにつなげるため、国に向けた提案としてグランドビジョンを設計し、事業プランを策定しました。
目指したのは、食と農を入り口に、教育、健康、福祉、仕事、交流がつながる地域の姿です。畑で野菜を育てる。育てたものを食べる。学びに来た人が地域の人と出会う。その出会いから、次の活動や小さな仕事が生まれる。
一つひとつの営みを結び、地域に通う理由、関わり続ける理由を増やしていきたいと考えました。大きな構想を動かすために必要だったのは、現場で実行できる最初の一歩でした。
地元優良企業との連携が、構想を現場へ
その一歩として進んでいるのが、企業の社員とご家族に向けた、菌ちゃん野菜作り体験講座です。
企業で働く人が、休日には家族と一緒に地域の畑を訪れる。子どもと土に触れ、職場の仲間と野菜を育てる。企業と地域の接点が、日々の暮らしに近いところで生まれています。
地元優良企業が社員とご家族をつなぎ、旬菜坪根さんが圃場と現地の支援を担い、合同会社食養メディアが体験の全体を設計する。それぞれの役割が重なることで、親子が参加できる学びの場が形になっています。
何を育て、どのように学び、次の回までどう管理するか。現場の条件に合わせて、その間をつないでいくことが、私たちの仕事です。
全6回だからこそ、育つ過程を共有できる
今回の講座は、夏野菜編と秋冬野菜編、それぞれ3回ずつの全6回です。季節をまたいで畑に通うことで、野菜の変化に触れられます。
植えたばかりの小さな苗が、次に訪れたときには葉を広げている。まいた種から芽が出ている。収穫までには、草取りや間引き、生育を見ながらの管理も必要になります。
その過程を知ると、食卓に並ぶ野菜の見え方も変わってくるはずです。秋冬野菜編では、ロメインレタスとブロッコリーの苗植え、人参、大根、大かぶの種まきに取り組んでいます。
苗を植える作業と、小さな種をまく作業では、手の動かし方も観察するポイントも違います。子どもの年齢や親子の経験に合わせて伝え方を工夫し、一緒に取り組めるようにする。
次の回には、どんな姿になっているだろう。その楽しみが、もう一度堀越を訪れるきっかけになります。
小さな種から、食べ物の背景を学ぶ
やがて食卓に届く野菜も、始まりは小さな種。そのことを、自分の手で確かめられるのが畑の魅力です。
種をまく深さ、苗の置き方、土の寄せ方。大人にとっては簡単に見える作業にも、子どもが考え、試してみる余地があります。
講師として大切にしているのは、子どもが自分で見たり、触ったりする時間です。幼い子にも伝わるよう、絵を使った導入を取り入れながら、土の中の生きものや、野菜が育つ環境に目を向けてもらいます。
菌ちゃん農法を題材に、土づくりと野菜作りのつながりを学ぶ。親子で同じものを観察し、それぞれの発見を共有する。その経験が家庭に持ち帰られれば、夕食の野菜を見ながら、畑の話をするきっかけにもなるでしょう。
畑の学びが、暮らしの中で続いていくことを目指しています。
統括プロデューサー兼代表講師として、現場まで担う
外薗明博の役割は、統括プロデューサー兼代表講師です。企画設計、関係者調整、現場での実践支援、運営指導、講師まで一貫して担当しています。
企画では、目的、季節、参加者の年齢、畑の状態を踏まえ、品目や体験内容を組み立てます。準備段階では、日程、資材、教材、当日の進行を関係者と調整します。
現場では、自ら親子のそばに入り、手元を見ながら作業を支援。運営側への助言も行い、参加者が無理なく取り組めるよう進行します。開催日以外にも、生育の確認や栽培管理に関する助言を重ね、次の体験につなげていきます。
野菜には野菜の生育の速さがあり、人にはそれぞれの理解や作業のペースがあります。天候によって、予定を調整することもあります。
そうした違いを見ながら、学びと運営の両方を成立させる。構想設計から実施の細部まで関わり、現場で得た気づきを次の改善に反映していきます。
社員と家族、企業と地域の関係を育てる
この講座には、社員と家族が共通の体験を持つ機会としての価値も期待しています。
仕事中には見えにくい、親としての姿。子どもを手伝う姿。慣れない農作業を一緒に試す姿。畑では、職場の役職や担当業務とは違うところから、相手を知るきっかけが生まれます。
今後は、参加者の声や継続参加の意向を確かめながら、企画を改善していきます。家庭で食や農の話をする機会が増えたか、また畑に来たいと思えたか。地域との関係が暮らしに根づいていく様子を、丁寧に見ていきたいと考えています。
継続のためには、圃場を提供する人、栽培を支える人、企画と指導を担う人、それぞれの役割と負担を整理することも必要です。全6回の講座を通じて、参加者にとっての価値と、現場で無理なく運営できる条件を確かめていきます。
土を耕し、人のつながりを育てる
堀越では、2027年2月11日の開校に向けて、食養ファーマーズアカデミーの場づくりも進めています。大人が食と農を学び直し、自分の暮らしや、これからの生き方を考える週末農学校です。
社員とご家族に向けた講座で得る経験は、地域で継続的な学びの場をつくるうえでも、大切な蓄積になっていきます。
約1年前に描いたグランドビジョンの先に、いま、親子が並んで苗を植える風景があります。ここまで歩みを進められたのは、地元優良企業の皆さま、旬菜坪根さん、そして参加してくださる社員とご家族の協力があるからです。
小さな種をまき、育つ様子を見守るように、地域の未来にも手をかけていく。
合同会社食養メディアは、これからも堀越の現場で、食と農を通じた学びと事業づくりを進めていきます。この畑で重ねる時間を、地域の次の可能性につなげるために。
畑で重ねる、親子の時間

